今回は具体的なご紹介の前に、私が実際に、ツボをどのように考え療術にどのように取り入れているかをお話してみたいと思います。
多くの方がイメージしておられるツボとは、ロボットの体についているボタンのように、そこを押すと自動的に何らかのスイッチが入って。あるいは切れてロボットに何らかの作用が現れる、ゲームの隠れヒットポイントのようなものではないでしょうか?
実際に、ツボが発見されて利用されるようになった起源は、効果を感じた人々が経験的に積み上げてきた、そのようなバラバラの知識の集まりだったでしょう。
しかし数千年の時を経る中で、中国の偉大な先人達が解剖学や経験と直感を駆使して、陰陽五行と経絡という体系を作り出したことで、その効果は大きく向上していきました。何故その場所にハリを刺したり、灸をしたり、指圧したりすると、体に変化がおこるのか、それが説明できるようになったのです。
つまり大切なことは、ある症状にはこのツボ、あるいは別の症状には別のツボと、ひたすら暗記して押圧していくことではなく、陰陽五行のバランスと経絡の流れの調和を目指すために、手段のひとつとしてツボ〜療術点を、あるいはツボという点ですらなく点のつながった線に、理に適った刺激を与えていくことなのです。
よく痩せるツボとか、頭の良くなるツボを教えてほしいとのご要望をいただきますが、残念ながらそのようにツボ〜経穴を使用していないので、シンプルにお答えできない理由でもあります。ですからこれからお話していく内容これまでのお話も、わかりにくいかもしれませんが、このblogのモットーとしてわかりやすさを優先して安易な情報を書かずに、本物の知識を知っていただこうと書いていきます。